イギリスの食文化が貧弱といわれる所以は、お隣のアイルランドほどではないにしろ、土壌が肥沃ではなく、大地の恵みの恩恵を受けられないことも原因といわれています。やせた土地でも安定して収穫できる野菜がじゃがいもだったのです。エリザベス一世の頃はじゃがいもには毒があるといって敬遠されていたようですが。ということで、じゃがいもはイギリス人の主食となっていったわけです。

20世紀初頭までイギリスの支配下にあったアイルランドでは、19世紀には「じゃがいも飢饉」が発生し、じゃがいもを主食としていた人々は飢えに苦しむことに。この時、多くのアイルランド人がアメリカ大陸に移住したため、今でもアメリカにはアイリッシュ系が多いのです。

私がイギリスにいる頃、イギリスに遊びに来た友人たちの多くが「じゃがいもはもう見たくない!」と口にし、つけ合せのじゃがいもに口をつけなくなりました。でも、イギリス人にとってはご飯も同然。ということで、チップス、クリスプス、マッシュドポテト、ローストポテト……。イギリス人はあらゆる方法でじゃがいもを大量に消費します。

そのなかでも私のいち押しはジャケットポテトです。

ジャケットを着たじゃがいも。つまり、皮がついたままのじゃがいもを蒸す、またはゆでてた後にオーブンでローストし、それにさまざまなソースをかけて食べます。塩&ビネガーというシンプルなものから、ミートソース、チリソース、カレーといったソースまでバラエティに富んでいます。レストランやパブでも食べられますが、町の出店で売られているジャケットポテトがお勧めです。ものすごく大きいゆでただけのじゃがいもに豪快に好きなソースをチョイスしてかけてもらえるのですが、安くて、お腹もいっぱいになります。ロンドンだと、コベントガーデンなどで出店が出ていることも。お祭りやイベントが開催されている場所で出遭えるチャンスが多いです。見かけたら、ぜひトライしてみてください。



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